直近の４試合は2勝1分1敗できていて、前節のガンバ大阪戦も悪くはなかったのですが、我々らしいかと言われると少し相手に依存した戦い方になってしまっていたと感じていました。今日は中断前の最後のホームゲームということで、自分たちをいかに出すかということにテーマを置き、戦略的なことを詰めてきました。今日のゲームは私がサンガの監督に就任してからのベストゲームだと思うぐらい多くのチャンスをつくることができましたし、我々の戦略を見せることで名古屋さんの良さを出させませんでした。ただ頑張っただけの試合ではなく、非常にまとまった、意味のある勝利だったと思います。今日は日本三大祭のひとつである祇園祭の宵山という中、この試合を見に来られた人たちに、エキサイティングで、しかもそれが勝利につながった試合を見せられたことで、少しホッとした気持ちと、嬉しい気持ちがあります。本当に今日戦ってくれた選手たちは、非常によくやってくれたと思います。

●ベストゲームといえるぐらいサンガらしさを出せた要因はどこにあると考えていますか？

名古屋さんがボールを持った時の、我々の戦略的なことと、相手に一歩踏み込む勇気が今までの名古屋戦とは見違えるような感じでボールを奪えていましたし、ボールを持ってからもその勢いをそのままに出せたのは、目指しているサッカーに近いものでした。特に名古屋さんには長い間勝てていないと聞いていましたし、その相手に対して中途半端に臨んで0-0の時間を長くしても、最後にキャスパー・ユンカー選手やマテウス・カストロ選手に一発やられてしまうという展開になるのが見えていたので、リスクはありましたが最初の飲水タイムまでに点を取りに行くというやり方を選択して、それに選手たちはよく応えてくれたと思います。

●得点した山﨑凌吾選手とパトリック選手の評価をお願いします。

ヤマ（山﨑凌吾選手）は湘南ベルマーレ時代から長い付き合いですが、非常に運動量も多いですし、戦術理解度も高く、周りを活かすことができる選手なので、ヤマとパト（パトリック選手）に得点が生まれたのは偶然ではなく必然だと思います。彼の良さが全面に出た試合ですし、それによってチームが上向きになったことは間違いないですし、先発で出た選手、交代した選手全員で掴んだ勝利だと思います。

●選手交代のタイミングが難しい中、3枚のカードを切った意図を教えてください。

相手のセットプレーの脅威があるので、高さを確保しながら、フレッシュな選手と今週調子が良かった選手を相手にぶつけるという意味で３枚切りました。3人ともよくやってくれたと思いますし、やはり今のサッカーは先発の選手だけで勝てるプランを組んでいる方が負けにつながるので、どうやってどういう選手を使うかのプランの中で起用するかを考えないと勝ちが入ってこない時代になってきたと思います。最後に入ったアピ（アピアタウィア久選手）とダイゴ（荒木大吾選手）も含めて、この勝利によく貢献してくれたと思います。