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選手インタビュー


山口智インタビュー

なんと今年で、プロ生活20シーズン目。日本代表も経験したベテランのセンターバックがサンガにやってきた。その視野の広さは、プレーにおいてのみならず、人間性にも表れている。キャプテンとしてチームを統率する立場として、チームへの素直な思いを語ってもらった。


山口智

――17歳のデビュー戦を飾った西京極スタジアムが、今シーズン、山口選手のホームスタジアムになりますね。

山口:そうなんです(笑)。当時のことはよく覚えてますよ。僕のチーム(ジェフユナイテッド市原/現:ジェフユナイテッド千葉)は2-0で勝っていて、僕は残り15分くらいの途中出場で。緊張は感じなかったのですんなり試合に入れたけど、自分がプロのピッチに立っていることの違和感が強かったですね(笑)。そんな場所で再スタートが切れることは、個人的にも感慨深いものがあります。何よりも、サンガというチームがこの苦しいときに僕を必要としてくれたことは本当に大きくて、「何とか力になりたい」という思いは今までで一番強いかもしれないですね。


――和田監督のサッカースタイルはどう理解していますか?

山口:サンガらしい“ボールをつないで相手を崩していくサッカー”に加えて、「縦へのスピードとパワー」を要求されてます。一発のパスでゴールにつながるのが一番いいことですからね。さらに、鹿児島キャンプで重点的に取り組んだのが「チームのための守備の意識改革」で、フォワードもディフェンスも連動した守備意識については、相当、叩き込まれたんじゃないでしょうか。
僕自身はセンターバックとして、バキ(バヤリッツァ)やシュンヤ(菅沼駿哉)と組むことが多い。基本は4-4-2だけど、4-1-4-1の場合もあるし、バキがボランチをやることもあったりと、流動的なオプションも練習してますね。J2は自分たちのスタイルを貫くだけで勝てるリーグではないので、臨機応変さが大事だと思います。
ボランチのナミルさん(金 南一)やバキとは、僕らが崩れなければ……という思いが強いので、よく3人で話し合ってます。カタコトの日本語や英語ですけど(笑)、ナミルさんは経験があるから、詳しく言わなくても状況とニュアンスで察してくれる部分多くて助かってますね。バキともフィーリングが合うので、攻撃のタイミングも合わせやすい。もちろん、シーズン初めなのでコンビネーションはまだまだだけど、サイドバックやゴールキーパーも含めて意識を合わせていくことで、もっともっとよくなる手応えがありますね。



山口智

――実際にサンガに入ってから、何か感じていることは?

山口:千葉(ジェフユナイテッド千葉)で3年間対戦していたときは、サンガの細かくつなぐサッカーや、足元の技術が高い選手が多いことには苦労したし、去年はオグリ(大黒将志)という点取り屋がいたことで怖いチームでしたよね。ただ、サンガに来てみて思ったのは、「おとなしい選手が多いな」ということ。まだこれからだろうけど、お互いの要求をもっとしてもいいんじゃないかと思うんです。
僕はもちろん要求しますね。この世界、要求してお互いに高めていかないと強いチームはつくれないし、結果に対して本当にどん欲にならないと、決してラッキーでは結果は生まれてこない。ダメなときはみんなでもがいて、要求し合わないと修正できないと思うんですよ。
だから、「自分の殻を破ること」をキャプテンとして要求していきたいと思っています。言いにくいことをおろそかにしない。一人ひとりが勇気を持って伝えたり、聞いたりすることで劇的に変わると思う。そこは一番難しいところだけど、何とかしたいですね。僕だって得意じゃないけど、チームが勝つために、自分が不得意な部分にあえてチャレンジしたいなと思います。



山口智

――若手選手に対して伝えたいことは何でしょう?

山口:30歳を越えるとベテランとくくられますけど(笑)、でもやっぱり、そこまで続けている選手は苦労もしてるし、壁を乗り越えて、結果を出してきているから残れるんだと思うんです。僕の若いときは、必死で上の選手を見て、同世代に負けたくない思いが強かったし、今だって若手に負けたくない。そこを若手選手にも感じてほしいなと思ってます。プレーだけじゃなく、精神面でも先輩に頼ったらいいと思いますしね。それが恋愛の相談だっていいと思う。僕自身、そうやって先輩に救われてきましたからね。
例えば、サンガにはオグリという結果を出している選手がいるのに、彼に聞きにいく選手よりも、彼自らアドバイスしていることのほうが多い。「なんでなん?」って何人かの選手には言ったんですけど、それってもったいなぁと思うんです。
ひとに伝えることが難しいのは何年も感じているけれど、サッカーも人間関係も毎日の繰り返しで明日があるし、やっぱり続けるしかないですからね。経験のあるナミルさん、オグリ、コウジ(山瀬功治)たちと相談しながら、どういうやり方がいいのか探りながら、チーム全体を引き上げていければいいなと思います。


――20シーズンものプロ生活を続けるには、強い信念がないとできないはず。山口選手のサッカー哲学とは?

山口:僕ね、過去はどうでもいいんですよ。大切なのは、いま何ができるのかということ。そのためにも、結果や周りの声にとらわれすぎないようにはしてます。勝ったからOK、負けたからダメじゃなく、どんな結果でもやらないといけないことは常に変わらないと思うんです。やはり存在を示していかないと残れない世界だから、ひとつのことにこだわりたい。自分を磨くのはもちろんだけど、年々、チームに対してのこだわりが強くなってきました。周りへの感謝の気持ちも一緒に。
あと、ストレスは溜めないようにしてますね。だからこそ、チームで何かあれば自分から発して問題解決したいという思いが強い。発することで相手がどう思うかを理解して、さらに自分が何ができるかを考えられますからね。そして練習が終わったらサッカーのことは何も考えないようにして、したいことをするし、食べたいものも食べる(笑)。それで自分は助かっているかなと思います。だからこそ、サッカーの練習はめっちゃ好きですね。しんどいですけど、ボールを蹴っているときが一番自分らしい。それは間違いないですね。



山口智

――最後に今シーズンへの意気込みをお願いします!

山口:サッカーはひとりじゃできないから、僕の関心事はやはりこのチームについてです。明日のサンガに何よりも興味がありますよね。
 まずは、自分たちの現状を受け止めないといけない。「J1昇格」を軽く言いたくないけど、やはりそれが最大目標です。僕も含めて、サンガには失敗してきた過去があるので、過去と同じことをやっていてもダメ。違うことをトライしていかないといけないですよね。どれだけ高い意識を持てるか、どれだけ毎日を充実して送れるかで、ようやく結果もついてくるし、いろんなことを乗り越えられると思う。
必要なのは、「今できることを今から準備してやる」の繰り返しだけ。その質も、量も、意識も上げていきたい。そこに自分なりに挑戦しようと思っています。決して簡単じゃないけど、それができるかできないかでサッカー人生は変わってくる。すごく楽しみですよ。楽しみながらできるのが一番いいなと思います。


インタビュー日時:2015年2月25日

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